2019年11月8日金曜日

Japioの特許用AI翻訳システムのデモを体験しました

11月6日~8日に東京・北の丸公園にある科学技術館で
2019特許・情報フェア&コンファレンスが開催されています。
イベント紹介のリンクは次の通りです。

初日の6日から7日午前まで参加しました(上野)。

企業の展示ブースで興味を持ったのは、一般社団法人 日本特許情報機構
(Japio)の特許用AI翻訳システムのデモでした。

現在注目されているニューラル機械翻訳(NMT)の技術を利用したもので、従来の統計ベース翻訳(SMT)よりも、読みやすい和訳になることが特徴のようです。

翻訳システムのみの提供ではなく、特許情報の検索システムのオプションという扱いです。
世界特許情報全文検索サービスのリンクは次の通りです。

現時点ではまだ正式運用ではないため、β版の試用期間となっています。
試用期間に関するお知らせは次のリンク(PDF)を参照してください。
https://gpgfx.japio.or.jp/notice_20191101.pdf

これからIDを取得して、無料トライアル期間中に、いろいろと検討したいと思います。

会場のデモでは、実際にドイツのある化学メーカーの特許を検索して、AI翻訳を試してみました。

セグメント化された対訳画面が表示されて、セグメントごとに和訳が行われて、ほとんどが1秒以内、長くても5秒以内に和訳が表示されます。

ざっと見たところ、ポストエディット(PE)での修正量は30%程度ではないかと思います。

翻訳速度を考えると、外注フリーランス翻訳者に依頼して、納品まで3日待つよりは、その日のうちにPEを開始できるというのは利点ではないでしょうか。

これは決して、ドイツ語翻訳者の仕事を奪うことが目的ではありません。

経験豊富なドイツ語特許翻訳者がなかなか見つからず、翻訳者育成にも時間がかかるため、現状ではNMT+PEで対応するのが現実的な解決策と思われます。


今回は、特に化合物名の処理について、感想をメモしておきます。

化合物名には位置番号やハイフン、各種かっこが使われるため、以前は出力が崩れてしまい、位置番号が文末まで移動するような現象がよく見られました。

JapioのAI翻訳では、他のNMTと同様に化合物名のかたまりとして認識されていて、出力が崩れることはありませんでした。

また、統計ベースで学習されていない化合物名の場合、原文ママで和訳に出力していることが多いようです。
無理やりカタカナ表記にするよりは、PEをしやすいと感じました。

ただし、化合物名の列挙で、複合語の共通する後半部分を省略したハイフンの処理が、まだ対応できていませんでした。

例えば、金属酸化物の列挙で、Aluminium-, Titan- oder Zirkoniumoxid とあり、ハイフン部分は oxid を補足して考えます。

すると和訳は、「酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化ジルコニウム」になります。
しかし、AI翻訳は「アルミニウム-、チタン-又はジルコニウムオキシドでした。

原文のハイフンをそのまま残しているので、PEで気づきやすいとは思われます。
ただし、技術内容を理解していない翻訳者がうっかりハイフンを削除してしまったら、酸化アルミニウムとアルミニウムとでは、権利範囲が全く異なってしまいます。

少し笑ってしまったエラーは、錯体の配位子名で発生しました。

名称の一部のみ示すと、-phenylisochinolinato- は、「-フェニルイソキノリナト-」と、日本語名称の作り方に従って字訳してほしいのですが、なんと、「-フェニルisochinoli北大西洋条約組織-」 になっていました。

他にも学術用語で、「燐光」と「リン光」など、表記ゆれもあるため、気付いた点はフィードバックする予定です。

PEが面倒だと感じるかもしれませんが、機械翻訳を人手不足への対応のために導入することは、意味があると感じました。

加えて、機械翻訳の精度向上を目指すだけではなく、PEができて技術内容も理解するドイツ語人材の養成も、喫緊の課題ではないかと再認識しました。

なお、機械翻訳にご興味がある方は、11月19日に開催されるAAMTシンポジウムに参加されることをお勧めします。
https://aamt.info/aamttokyo2019/

2019年11月7日木曜日

Eindrücke zu "Vienna on the Path to Modernism" in Osaka

Wie im Blogeintrag vom 23.8.2019 erwähnt, findet derzeit die Ausstellung Vienna on the Path to Modernism” im Nationalen Kunstmuseum von Osaka statt. Vor kurzem hatte ich die Gelegenheit, die Ausstellung zu besuchen und war sehr beeindruckt.

Gezeigt wird bei Vienna on the Path to Modernism” eine ausführliche Geschichte der Stadt Wien und seiner Künstler und Architekten. Ich war sehr beeindruckt vom Umfang der Ausstellung. Ausgeliehen wurden die ausgestellten Werke vom Wien Museum, das derzeit umgebaut und erweitert wird. Deshalb konnten auch berühmteste Werke der Dauerausstellung des Wien Museums nach Japan geschickt werden. Die Ausstellungsstücke umfassen die Zeit Maria Theresias und der kommenden Aufklärung, des Biedermeiers, bis hin zu Werken der Architekten Otto Wagner und Adolf Loos.

Beworben wird die Ausstellung vor allem mit Bildern von Gustav Klimt und Egon Schiele. Tatsächlich sind sehr bekannte Werke dieser Künstlern zu sehen (wie die Gemälde Emilie Flöge oder Pallas Athene von Gustav Klimt). Diese machen aber nicht den Großteil der Ausstellung aus. Diese bietet nämlich darüber hinaus noch viel mehr und informiert ausführlich über die Entwicklung Wiens zu einer Weltstadt, die mit über zwei Millionen Einwohnern um 1910 die fünftgrößte Stadt weltweit war.

Es ist sicher eine einzigartige Gelegenheit, so weit weg von Österreich eine so umfassende Ausstellung zur Geschichte Wiens sehen zu können. Ein paar Wochen besteht dafür noch Gelegenheit, denn die Ausstellung Vienna on the Path to Modernism” endet am 8. Dezember.

2019年10月15日火曜日

Naturkatastrophen in Japan und Österreich

Am 11.10.2019 hat der bereits neunzehnte Taifun dieses Jahres das japanische Festland erreicht. Nach dem besonders starken Taifun Jebi im Jahr 2018, durch den unter anderem der Flughafen Kansai lahmgelegt wurde, ist Osaka diese Saison noch weitgehend von den Auswirkungen diverser Taifune verschont geblieben. Anders ist die Situation in der Region Kanto rund um Tokio, die heuer schon mehrmals von stärkeren Taifunen und Unwettern getroffen wurde.
Der Hauptsitz unserer Firma ist zwar in Osaka, aber einer meiner Arbeitskollegen wohnt in Yokohama, in der Nähe von Tokio. Er hat in einem Blogeintrag von seinen Erfahrungen während dieses Taifuns berichtet.

Für mich persönlich sind Taifune eine der vielen neuen Erfahrungen hier in Japan gewesen. Überhaupt hatte ich vor meiner Zeit in Japan faktisch keine Erfahrung mit Naturkatastrophen, denn in Österreich hatte ich außer stärkeren Regenfällen keine extremen Wetterphänomene erlebt. Generell gibt es in Japan sicher mehr Naturkatastrophen als in Österreich. Außerdem kommen zu den in Österreich ebenfalls möglichen Überschwemmungen, Hitzewellen und Lawinenabgängen, in Japan auch noch Tsunamis, starke Erdbeben, Vulkanausbrüche und Taifune hinzu. Somit könnte man sich in Österreich nahezu sicher vor Naturgefahren wähnen. Trotzdem sollte man auf der Hut sein, denn auch in Österreich nimmt, unter anderem aufgrund der Erderwärmung, die Zahl der Naturkatastrophen stetig zu.

Zur Zunahme von Naturkatastrophen in Österreich:

2019年10月11日金曜日

台風19号:横浜在住社員の対応

日本は面積の割に、地震・台風・火山などの自然災害の発生が多く、会社の事業活動が停止するリスクがあります。

リスク低減のために複数の事業拠点を有して、災害に遭わなかった拠点が動き続けるという、事業継続性の確保が求められています。

弊社では、HPに記載の大阪本社と梅田オフィスの他に、首都圏にも拠点があります。

ただし、まだ事務所を借りていないため、ドイツ語翻訳者の上野が、横浜市戸塚区の自宅で在宅勤務をしています。
事業継続性の確保だけではなく、首都圏で開催される翻訳関連イベントへの参加なども目的です。

9月の台風15号では、横浜市戸塚区の拠点では瞬間停電があったのみで被害はなく、業務が中断することはありませんでした。
ただし今週末に直撃が予想される台風19号は心配です。

10月10日以降の対応などについて、時系列で、随時更新しながら報告します。

10月10日
 台風情報を確認しながら仕事。
 屋外の自転車を自転車置き場の柵にワイヤー固定した。
 防災袋を確認して、追加で購入する物品を確認した。

10月11日
 台風情報を確認しながら仕事。
 朝からにわか雨。戸塚消防署の雨量計では12時までで0.5 mmと少量。
 13:25 急に雨が強く降り出し、風も強くなってきた。雨戸を閉めた。
     13時からの1時間雨量は7.0 mm。

 14:30 紀伊国屋書店から12日は休店するという電話連絡。13日は未定のため、定期購読している「英語教育」の受け取りは14日以降にしてほしいとのこと。翻訳に使う書籍は注文していないので来週にしよう。

 16:00 15時以降は雨は降っていない。今日は19時から日独協会のドイツ語特許翻訳講座がある。中止の連絡が来ていないので、参加することにした。移動の準備。

 17:00 日独協会へ移動。移動中に天候悪化の場合は再検討する。

 19:00 東京は小雨。
     ドイツ語特許翻訳講座は予定通りに開始。訳し方や訳語の検討で盛り上がる。
     動詞 verlegen の意味の解釈で2通りの可能性があり、宿題となる。

 21:42 東京駅から東海道線に乗る。込み具合は、いつもの週末の半分以下。

 22:30 戸塚駅。雨が強くなったのは5分程度。風もない。
     コンビニでパンとサラダなどを購入して帰宅。明日に備える。

10月12日
 06:30 雨が強くなり、音で目覚める。
     6時からの1時間雨量は 24.0 mm。11日17時からの累計は 65.0 mm。
     飲料水をポットと鍋に貯め、生活用水をバスタブに貯めた。

 12:37 緊急速報メールがスマートフォンに届く。横浜市戸塚区の一部に避難勧告。
     自宅がある地域は対象外だが、柏尾川の水位情報を確認すると平常値。

 18:22 地震で揺れたが異常なし。

 20:15 累積雨量が200 mm を既に超えた。14時以降の1時間雨量は10 mm 未満。
     雨の心配はしなくてもよさそうだが、風速が 20 m/s 前後と強くなった。
     雨戸は耐えている。

 22:45 雨も風もやんだ。

10月13日
 06:10 快晴、無風。インフラは無傷。ネット回線も通じていることを確認。
     消防車のサイレンが聞こえるが、周囲の被害状況は不明。
     柏尾川沿いの遊歩道で桜の枝が一部折れていた。案内看板の損傷など軽微。

 07:50 10時頃までに渋谷に行く必要があり、戸塚駅から横浜市営地下鉄に乗る。
     新横浜から新幹線で品川に移動して、バスかタクシーで渋谷に行こうとした。
     横浜駅直前で東急東横線の運転再開を知り、急いで降りて乗り換えた。
     線路内の飛来物除去作業で数分遅れたものの、予定より早く渋谷着。

 18:00 帰宅後、社長からチャットメッセージが入っていたことに気づく。返信。
     今後は、被害があった場合を想定して、移動作業場所の候補を探す予定。



 

       

2019年ノーベル化学賞リチウムイオン電池

2019年ノーベル化学賞は、リチウムイオン電池(LIB: Lithium Ion Battery、
独: Litihium-Ionen-Batterie)の開発に対して3名の研究者に贈られました。

受賞者は、ジョン・グッドイナフ教授(John B. Goodenough)、スタンリー・ウィッティンガム教授(M. Stanley Whittingham)、吉野彰博士(Akira Yoshino)です。

ノーベル財団のプレスリリース(英語)は次のリンクから。
https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/2019/press-release/

ここ数年、自動車関連の特許出願でも、リチウムイオン電池に使われる材料などを扱うものが増えています。
再生可能エネルギー利用社会の実現のために重要な技術であり、今後は特許翻訳の機会も増えることでしょう。

受賞者3名の受賞理由を並べると、リチウムイオン電池開発の過程がわかります。
日本の報道では吉野博士の業績紹介に偏っているため、海外の報道を確認した方がよいでしょう(情報収集のために、外国語の勉強は必要ですね)。

ウィッティンガム教授が、負極活物質に金属リチウム、正極活物質に硫化チタンを用いたリチウムイオン電池のプロトタイプを報告しましたが、実用的ではありませんでした。

グッドイナフ教授が、適切な正極活物質として酸化コバルトを発見しました。

その後、吉野博士が負極活物質にカーボン材料を採用して、充電可能なリチウムイオン電池を実用化しました。

吉野博士のリチウムイオン電池の構造について、ノーベル財団のサイトからイラストを引用して示します(© Johan Jarnestad/The Royal Swedish Academy of Sciences)。


このイラストでは、放電時のリチウムイオンと電子の動きを示しており、充電時は逆になります。
充電時には、正極活物質の LiCoO2 からリチウムイオンが脱離して、負極活物質のカーボン材料にインターカレーションされて、吸蔵されます。
放電時には、リチウムイオンが負極から正極に移動し、電流が流れます。

吉野博士ら(旭化成工業株式会社)の特許出願は1987年です(特開昭62-90863)。
特許翻訳の仕事では、実際に製品が市販される前に、最新技術に触れることになります。
語学の知識に加えて、最新技術の動向を把握することも、特許翻訳者には必要になります。

2019年8月23日金曜日

Wiener Leben 17) Klimt und Schiele in Osaka



Im Nationalen Kunstmuseum in Osaka wird am 27. August die Ausstellung „Vienna on the Path to Modernism” eröffnet. Diese Kunstausstellung wird im Rahmen der Feierlichkeiten anlässlich des Beginns der diplomatischen Beziehungen zwischen Japan und Österreich vor 150 Jahren veranstaltet. Dabei sollen etwa 300 Ausstellungsstücke des Wien Museums gezeigt werden, darunter auch zahlreiche Werke von Gustav Klimt und Egon Schiele, die wohl bekanntesten Vertreter der Wiener Moderne.

Zuvor fand dieses Jahr bereits eine Ausstellung mit Gemälden von Gustav Klimt in Tokio statt (Tokyo Metropolitan Art Museum), bei der auch eine Nachbildung des Gebäudes der Wiener Secession gezeigt wurde.

Bis zum Ende des Jahres 2019 sind aufgrund der Jubiläumsfeierlichkeiten der japanisch-österreichischen diplomatischen Beziehungen zahlreiche weitere Veranstaltungen geplant. Wer daran Interesse hat und derzeit in Japan wohnt sollte daher auf dem Laufenden bleiben (siehe z.B. Österreichisches Kunstforum).


Klimt-Ausstellung im Nationalen Kunstmuseum:

Österreichisches Kunstforum Tokio: http://austrianculture.jp/?page_id=383&lang=de

有機化合物の名称 ベンゼン(benzene, Benzol)

高校化学で習う代表的芳香族化合物は、分子式 C6H6 の benzene(ベンゼン、独 Benzen / Benzol)です(下記構造式参照)。
優先IUPAC名 (PIN) は benzene のみです。
環状共役オレフィンとしての名称 [6]annulene ([6]アンヌレン) は使いません。

日本語名称は、benzene を字訳した「ベンゼン」のみです。

ドイツ語の有機化学の教科書では、従来の Benzol と PIN 由来の Benzen を併記するようになりました。
語尾の -ol が -OH 基の存在を意味すると誤解させるおそれがあるため、Benzen を推奨しているとも言われています。

日本語特許では、ドイツ語 Benzol の発音「ベンツォール」に由来する「ベンゾール」と書いている場合もあります。

また、ドイツ語特許の和訳で「ベンゾール」を使っている場合も見られます。
大半の独和辞典で Benzol の訳語として「ベンゾール」のみを挙げているためと思われます。

特許の場合、「ベンゾール」と書いてあっても、文脈から「ベンゼン」を意味することが明らかであれば、使用してもかまわないようです。

ただし、「ベンゾール」は、「粗製ベンゼン(ベンゼンを含む芳香族炭化水素混合物)」を指すことがあるため、使用しない方がよいでしょう。