優先IUPAC名 (PIN) は benzene のみです。
環状共役オレフィンとしての名称 [6]annulene ([6]アンヌレン) は使いません。
日本語名称は、benzene を字訳した「ベンゼン」のみです。
ドイツ語の有機化学の教科書では、従来の Benzol と PIN 由来の Benzen を併記するようになりました。
語尾の -ol が -OH 基の存在を意味すると誤解させるおそれがあるため、Benzen を推奨しているとも言われています。
日本語特許では、ドイツ語 Benzol の発音「ベンツォール」に由来する「ベンゾール」と書いている場合もあります。
また、ドイツ語特許の和訳で「ベンゾール」を使っている場合も見られます。
大半の独和辞典で Benzol の訳語として「ベンゾール」のみを挙げているためと思われます。
特許の場合、「ベンゾール」と書いてあっても、文脈から「ベンゼン」を意味することが明らかであれば、使用してもかまわないようです。
ただし、「ベンゾール」は、「粗製ベンゼン(ベンゼンを含む芳香族炭化水素混合物)」を指すことがあるため、使用しない方がよいでしょう。
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